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​濹東綺譚 ~玉ノ井夜想 大江匡とお雪~』『風邪ごゝち』(永井荷風) 『珊瑚集』仏欄西近代抒情詩選 (ポール・ヴェルレーヌ/永井荷風訳)ぴあの・ましろの月・道行・夜の小鳥・暖き火のほとり・返らぬむかし・偶成』

 

『落葉』ポール・ヴェルレーヌ(堀口大学・金子光晴・窪田般彌・橋本一明・上田敏)の朗読と『シャコンヌ』(J.S.バッハ)の演奏

 

『桜の森の満開の下』(坂口安吾)『港に着いた黒んぼ』(小川未明) 『耳なし芳一』(小泉八雲)  『鮨』(岡本かの子) 

=オスカー・ワイルド作品= 『幸福の王子』『わがままな大男』『ナイチンゲールと紅いバラ』『サロメ』

​石川啄木『啄木といふ奴  A GUY CALLED TAKUBOKU』  台本構成:音楽 喜多直毅

 

太宰治『人間失格〜道化と狂気のモノロギスト〜』

『人間失格』
~道化と狂気のモノロギスト~  
   2019.11.16 (Sat)  アトリエ第Q藝術 1Fホール 15:00公演      詳細→https://www.otogatari.net/schedule

太宰 治

『自分は、しばらくしゃがんで、それから、よごれていない個所の雪を両手で掬い取って、顔を洗いながら泣きました。』

(作品から引用)

 

真実と虚実の谷間を彷徨う男一人。

虚ろな目に映るのは、過ぎ去っていく一切。

 

 

『人間失格 〜道化と狂気のモノロギスト〜

・2019.11.16(土)アトリエ第Q藝術1Fホール(成城学園)公演フライヤーより・

東北の田舎の裕福な家庭に生まれ育った葉蔵。厳格な父の存在と使用人による性的虐待が、彼の心に初源的な無力感と対人恐怖を植え付ける。彼にとって人間環境は過酷であり、そこを生き抜く術として葉蔵は人々の気持ちを先読みし、道化を演じる事により『気に入られる』ように務める。それは彼の恐れと弱さを覆い隠し、人々の好意を得るためには十分であったが、人を欺き続ける罪悪感も同時に強く抱えることになる。成人した後も人間恐怖は心の中で肥大し続け、激しく彼を苛むものとなった。他者に対する恐れ、不信感、諦めは、葉蔵を優しく庇う女性達に対しても抱かれた。やがて全てに絶望した葉蔵は死を希求する。このような精神状態が続く中、アルコールと薬物への依存は悪化し、遂に彼の人格は荒廃した。しかし発狂の後、彼の心にやっと初めての凪が訪れる。

 

物語が進むにつれ、葉蔵が徐々にモラルから逸脱し人として堕落していくのは明らかだが、一つ一つのエピソードに於ける彼の行動は、人間の恐怖から自分を守ること、“阿鼻叫喚”の世界で何とか生き延びることが動機となっている。全ては生きるため。

本公演は問いに満ちている。葉蔵は過ちを犯したのではなく、ただ悲劇の中に投げ込まれ道化の仮面をかぶることでしか生きられなかったのではないだろうか?彼は本当に人間として失格だったのか?そして私達は果たして『人間合格』なのであろうか?

『啄木といふ奴』
A GUY CALLED TAKUBOKU

石川啄木 /台本構成・音楽 喜多直毅

 

尖りながら、傷付きながら生きてゆく… 三行に込められた青春と恋、挫折、悲しみ。

朗読とヴァイオリンで描く石川啄木の世界。

『啄木という奴』

・2019.4.14(日)喫茶茶会記(四谷三丁目)公演フライヤーより・

子供時代、神童と呼ばれ、己の才を信じながらも挫折に満ちた人生を歩んだ石川啄木。

しかしその短い一生の間に詠まれた歌の数々は才気とインスピレーションに溢れ、今尚読む人々に鮮烈な印象と感動を与える。

恋慕、憧れ、望郷、病、そして生きる哀しみを情感豊かに歌う一方、感傷から身を置き、ナイフのごとく社会や人間存在に鋭く切り込む短歌も豊富である。

日常の“点”の様な風景や心理、記憶、想像の世界…、これらをたった三行の三十一文字で表現し、読み手のイマジネーションに強い翼を与える彼はやはり天才と呼ぶに相応しい。

今回は彼の短歌の数々を朗読するが、それぞれの短歌の持つ意味ばかりではなく、一首と一首の“間”に広がるものにも心を向けたい。また女声によって朗読される時、彼の短歌の質に何らかの変化が起こるはずである。

まるで啄木の人生に登場した女性達が、彼の俳句を声で辿る。

これにより啄木の作品に別な角度から光をあて、別な魅力を引き出すことが出来るのではないかと思う。

啄木作品とヴァイオリンのコラボレーションは非常に珍しいが、啄木が肌で感じた風や雨、芸者小奴の肌の温み、脳裏に浮かぶ故郷の山や川、また挫折によって味わった苦さまで、五感に基づいた音楽づくりを行いたい。

​濹東綺譚 ~玉ノ井夜想 大江匡とお雪~

​永井荷風

小説家・大江匡と玉ノ井の娼婦・お雪の切なくも美しい愛の物語。昭和初期の私娼街を舞台に、その出会いから別れを季節の移り変わりとともに描き出す、1951(昭和26)年に発行された、永井荷風の代表作品。
6月末のある夕方、大江は玉ノ井付近を散策する。急に振り出した大粒の雨、ひらいた傘に突然飛び込んできたひとりの女、お雪。侘しい場末の町、蚊のわめく溝際の家に住むお雪と大江は、なじみを重ね、たがいに情を深めてゆく。純朴なお雪の恋心。玉ノ井路地の迷宮を彷徨い歩く大江の複雑な心情とヴァイオリンのアルペジオが切なく交差する。季節は夏を過ぎ、やがて秋の深まる十五夜を向えるのだが、二人の行く末はいかに…。

桜の森の満開の下

坂口安吾

桜の森は、恐ろしい…。満開の桜の木の下を通ったものは皆、気が狂ってしまうという。この鈴鹿峠には山賊が棲む。この男は山のすべてを自分のものとしていた。ある日、山賊はいつものように都からの旅人を襲って、身ぐるみを剥がして殺し、美しい女を家に連れ帰り、女房にしたのだが…。物語の最後には、舞いあふれる桜の花びらと、冷めたい虚空がはりつめているばかり_。桜の森の真ん中で、花びらの降り落つるほどに、男の孤独が深まってゆき、やがて…。

山賊の男と、妖しく美しい残酷な女との幻想的な怪奇物語。坂口安吾の傑作短編小説。1947(昭和22)年5月15日初出。

港に着いた黒んぼ

小川未明

港町の路傍で笛を吹く盲目の少年と、その笛で歌い踊る美しい姉。ある日、大金持ちの使いに囁かれた姉は、自分はすぐここに戻るから待っていておくれと告げて、盲目の弟の元を離れます。ひとり港に取り残された弟は、戻らない姉を求めて熱心に笛を吹き続け、その物哀しい笛の音は夜空に高く響き渡るのでした。やがて姉が港に戻ってくると、そこにはもう弟の姿はありません。姉は弟の姿を求めて探し歩くのでした。その港に、黒んぼを乗せた外国船が到着します――。物乞いの姉と弟を巡る、幻想的な物語。1921(大正10)年6月初出。

耳なし芳一

小泉八雲 ラフカディオ・ハーン  = 怪談 =

昔、山口県赤間関の阿弥陀寺(あみだじ・安徳天皇や平家一門を祀る)というお寺に、盲目の琵琶法師、芳一がいた。芳一は琵琶の名手で、幼いころから師匠をしのぐ程の腕前。特に平家物語の壇ノ浦の合戦の弾き語りは真に迫り、「鬼神も涙を流す」と言われるほどであった。ある夏の夜、芳一は平家の怨霊にまねかれ、夜ごと安徳天皇陵の前で壇ノ浦の戦いを弾きがたる。これを知った和尚は怨霊から身をかくすため芳一の全身に経文を書くのだが、書き忘れられた両耳はひきちぎられてしまう。

= オスカー・ワイルド作品 =

"おとがたり” ~朗読とヴァイオリンの世界~

愛って何?幸せって何?誰もがそう問いながら生きてゆく。全ての心の本棚に、ずっと置いておきたい二つの物語。

冬空を切って飛ぶツバメ、幸福の王子が流す涙、わがままな大男の庭にはじける子供たちの笑い声、春の訪れと鳥達のさえずり…。珠玉の場面の数々は、声と音楽のみによって生き生きと美しく描かれます。そして聴く人は最大限にイマジネーションを広げることが出来るでしょう。ヨーロッパの古都・花咲き乱れる庭で繰り広げられるストーリーに、きっと何かを見つけられる。それはこの上なく尊いもの…。今、心に深く響いて問いかけてくる愛と幸せの物語。/「幸福の王子」「わがままな大男」

「ナイチンゲールと紅いバラ」青年の願いを叶えてあげたい。月光の中、小夜啼鳥は命懸けで紅いバラを咲かせるのでした。

幸福の王子 The Happy Prince

オスカー・ワイルド

幸福の王子の像が見下ろす街には、たくさんの悲しみと不幸せ。

憐れみ深い王子は身体を飾る宝石をツバメに託し、自分の美しさと引き換えに人々に幸せを届けます。

しかしやがて訪れる寒い冬。

ツバメは弱り、すっかり宝石を失った王子は見る影もなく見すぼらしい姿に。

人の幸せのために何も惜しまなかった二人…、彼らが迎える最期とは?

わがままな大男 The Selfish Giant

オスカー・ワイルド

わがままな大男の心にある日小さな愛が芽生えた。

やがて戻り来る子供達の笑い声、花々、鳥たちのさえずり…。

物語に登場する美しい情景が、声と音楽によって生き生きと描かれます。

聴く人は最大限にイマジネーションを広げられるでしょう。

 

イギリスの花咲き乱れる庭で

繰り広げられるストーリーに、きっと何かを見つけられる。

それはこの上なく尊いもの…。

今、心に深く響いて問いかけてくる愛と幸せの物語。

広大で美しい庭に暮らす大男は、遊びに来る子供達を締め出してしまいます。しかし子供の笑い声の絶えた庭には、花は咲かず鳥も啼かず、北風・雪・霰・氷だけが居座ります。永い孤独と苦悩にさいなまれた大男は、やがて自分の心にこそ問題があったと気付きます。優しさを取り戻した大男は、庭の塀を壊し子供達を庭に招き入れ彼らを愛する様になりました。何年も経ち年老いた大男を、ある日一人の少年が訪ねます…。

ナイチンゲールと紅いバラ
The Nightingale and the Rose

オスカー・ワイルド

美しい少女が言いました「紅いバラを持ってきてくれたら、あなたと踊ってあげるわ」彼女に想いを寄せる貧しい青年は、喜んで庭を探しました。ところが、紅いバラは1本も咲いていません。青年は悲観にくれます。町の花屋で花を買うこともできないのです。その姿を一羽の小夜啼鳥が見ていました。青年の願いを叶えたいと小夜啼鳥は紅いバラを探しにゆき、眠っていたバラの樹を起こし花を咲かせて欲しいと頼みます。そして小夜啼鳥は月光の中、命を懸けて白いバラを紅く咲かせてゆくのでした。